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ワタタツの日記


2010 年 2 月 25 日 (木)

イロモネア審査客抽出のランダム性とその補正について (On the randomness of choices of judges in Iromonea and its revision)

以前の「ニセ科学」の授業をやろう! - 杜の里から という日記のリンク先で、ランダムさが高いと偏ることもよくあるのでまばらに見えるのはランダムさが低いというのが二つの図で説明してあり、そのコメントで、イロモネアという番組で審査する人が100人中5人客から "ランダム" に選ばれることについて教えてもらいました。

イロモネアは100人中5人を一様(に近い疑似)乱数で一挙に選んでいるのではなく、1〜20番, 21〜40番, ..., 81〜100番という、20人ずつの5つのグループに分けて、そのグループごとに1人ずつたぶん一様(に近い疑似)乱数でランダムに選んでいるという情報でした。それは100人からランダムというのからずれているというわけです。本当にランダムに選べば1グループから2人以上出ることも普通にあるからです。 今日帰ったらイロモネアをやっていたので見てみたら確かにそのようでした。

そこでちょっと思ったのですが、お笑い番組の審査なのでこれは意図的な補正なのではないか (番組が考えているか偶然そうなったのかはわかりませんが) と思ったのです。 つまり、笑いというのは「周りにつられて笑う」という雰囲気で笑うということもあります。隣の客はよく柿食う客だ、あ違った、隣の客がよく笑う客だったらつられて笑ってしまうというのは、わしは無視できないぐらいの要因となるのではないかとふと考えたのです。

端的に言えば、どの席も同様に確からしいとは言えないだろうということです。客が笑う確率と席の位置が独立ではないだろうということです。

特にこの番組だと選ばれた5人のうち、3人が笑うとクリア、決勝だと5人全員が笑うとクリア、という条件です。これは近くにいる人が一斉に笑って釣られて笑うということが起こることを意図的に排除していることになります。

そう考えると、制作側が意図したかは別として、一様乱数に対してこの問題に特化した面白い補正が施されているわけです。

ちなみにこういう補正は、準モンテカルロ積分にもとても有用です。モンテカルロ積分で乱数性が高い数列を使うと収束が遅いのに比べて、非常に粗く言ってイロモネアのような補正を施すと積分の収束がめちゃんこ速くなるということです。非常に粗く言いすぎましたが low discrepancy sequence と呼ばれているものです。でもわしは理解していませんので本当にちゃんと知りたかったらわしの知人を訪ねて下さい。

モンテカルロ積分って

モンテカルロ積分とは何かを簡単に説明しておきます。

その昔モンテさんとカルロさんがいました。 あるときモンテさんの家の敷地とカルロさんの敷地のどっちが面積が大きいかなと言って、はいていたつっかけを何度も二人の敷地に向けて足で投げ入れたそうです。

「あモンテさんちに入ったね」「あ次はカルロさんちだー!」

そのようなことを言いながらつっかけがどっちの家の敷地に何回入ったかを数えたそうです。 その回数を比べることによって徐々に面積比がわかっていきました。 モンテさんとカルロさんの敷地面積を求めるための積分の近似になっています。この手法をモンテカルロ積分と言います。 信じるか信じないかはあなた次第です。

Tags: 大自然
本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]
のくす (2010 年 2 月 26 日 (金) 02:45)

カルロさんの脚が10cm長かったら、歴史が変わっていたのですね。

き・ただ〜い (2010 年 2 月 26 日 (金) 13:12)

安藤美姫の鼻のことね。


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